楽天・田尾監督の解任劇は理不尽な首すげ替え…MLBに倣った最優秀監督賞、NPBも取り入れるべき【大慈彌功コラム】
◇コラム「日本人初メジャースカウト・大慈彌功論」
MLBでは毎年、記者投票による最優秀監督が選出される。
1983年から始まり、今年は11月16日に発表された。
ナ・リーグからは最多107勝をもたらしたジャイアンツのゲーブ・キャプラー監督(46)が選出された。
2017年から3年連続大きく負け越したチームを20年に引き継ぎ、今季大躍進を成し遂げた。
ア・リーグは同じく100勝したレイズのケビン・キャッシュ監督(43)が歴代2人目の2年連続受賞となった。
選出の基準は、与えられた戦力を基にした戦略性及び統率力。
また年俸総額による費用対効果も考慮され、公平かつ正当な判断が下される。
ちなみに今季の総年俸トップはドジャースの約300億円。
ジャイアンツはナ・リーグ6番目の約190億円、レイズはア・リーグ13番目の約80億円であった。
この賞の特性を端的に表している例として、06年にマーリンズを率いたジョー・ジラルディ監督(57=現フィリーズ監督)の受賞が挙げられる。
ナ・リーグ9位、78勝84敗と負け越したにもかかわらず選出された。
同年マーリンズの総年俸は約15億円。スーパースター1人の年俸にも満たない額だ。当時のリーグ16球団最低で、1つ上の15位ロッキーズが約42億円。
まさに費用対効果抜群の成績である。ちなみにジラルディ監督は、財布のひもが固すぎるオーナーとの確執により1年で解任されている。
私はNPBもMLBに倣った最優秀監督賞を取り入れるべきだと考えている。
そう強く感じたのは、05年新規参入の楽天・田尾安志監督(当時51)の解任劇である。これほど理不尽に感じた首のすげ替えはなかった。
オリックスと近鉄が合併、楽天が発足する際の選手配分では、まずオリックスが旧近鉄選手も含め25人を選択した。
その後、楽天が20人。
いわば1軍のレギュラー選手がオリックスへ、控え選手が楽天へと配分された。その1年目に楽天は38勝。
最優秀監督の投票があれば、私なら間違いなく田尾さんに入れただろう。
NPBにも正力賞があるが、「勝てば官軍」的な要素が色濃く、主に日本シリーズ優勝監督に贈られている。
次回は今季NPBの両リーグ監督順位付けを行いたい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/610f94e7ff1deb06802deb024989ca678745a557
【検証】楽天・田尾監督の解任劇は理不尽な首すげ替え… MLBに倣った最優秀監督賞、NPBも取り入れるべき
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